AngelDevil〜第二章〜動き出す運命〜堕天使の悲しみ〜

リュカは涼がデイシスを消した部屋から全力で走って次の悪魔を探していた。 そしてある疑問も考えていた リュカ「(なんでだ・・・なんで一体も悪魔がいないんだ?)」 そう、あれだけの悪魔を俺に向かわせたほどのグループだ。 大量の悪魔がいるとリュカも踏んでいたのだが、デイシス以外の悪魔が一体もいないのだ。 リュカ「だが、まだ悪魔がいんだろうなぁ・・・」 リュカの目の前にまた大きな部屋が現れた。         ・・・・・ まさしく文字通り現れたのだ。 さっきまでは確かに全く部屋などなく通路だった。 それが一瞬にして部屋が現れたのだ それも自然の広がる部屋が・・・ リュカ「なにが起きた・・・?」 グラス「教えてやろうか?」 リュカの後ろに魔人が現れた リュカ「・・・テメェ、何しやがった・・・・」 グラス「なにもしてないが?」          ・・・・・・・ リュカ「ふざけんな、この部屋はテメェが作ったんだろ?」 グラスがほぅ、と感嘆の声を上げる グラス「中々鋭いな、守護天使よ。 貴様の察する通りだ。この部屋は私が作った。」 リュカ「どうやりやがった?」 グラス「それはトップシークレットだ。守護天使よ。」 リュカ「そうか、んじゃ、レナの場所を吐け俺がテメェを消す前に」 なぜかこの言葉には異常な殺気がこもっていた 守護天使は確かに守るべき者を守るために命をかける。 だが、目の前にいるこの天使は情報によれば強制的に守護天使にされたため、全くといっていいほど守るべき者、つまり『開く者』への感情はなかったはず・・・ グラス「その質問に答える前に一つ質問させてくれないか?」 リュカ「それに答えたらレナの居場所を吐けよ?」 グラス「ああ、いいだろう。 では、質問だ。貴様はなぜここにきたのだ?」 リュカ「!!」 それはリュカが自問自答していたことだった 『なぜここにきたのか?』 俺はなぜここにきてそして闘っているのか? 今まではただ降りかかる火の粉を払っていただけだったが、今回は違う。 ここには自分の意思で来た。 つまりそれはレナを助けに来たということ・・・ リュカ「俺は再び天使になるために来た、あいつを・・・レナを失ったらもう天使にはなれなくなる。 それは俺の全てを失うのと変わらねぇ。だからここに来たんだ!」 グラス「・・・ふむ、なるほど。わかりました。あなたの闘う理由が では、こちらも質問に答えましょう。『開く者』、神崎レナはあなたの後ろにいます。」 普段のリュカならば振り向きもしなかっただろう。悪魔相手に背中を見せるなどというのは自殺行為だ。          ・・・・・・・・・ だが、今のリュカは普段とは違うなにかに動かされているリュカは振り向いた。 そして・・・絶望した グラス「どうです?綺麗でしょう?私の芸術は!」 リュカの目にしたレナは、胸に剣が刺さっていた。 つまり、もはや生命の無いただの人形と変わらなくなっていたのだ・・・ グラス「(もちろん『開く者』は殺していませんがね。そんなことをしたら私が死んでしまいますし。 守護天使は気付かなかったようですが、すでに彼は私の罠にはまっている・・・そう、私の唯一にして最強の能力、邪眼に・・・)」 邪眼・・・それは凶眼、魔眼などとも呼ばれる悪魔や魔女のみに持つことを許された邪悪な能力 その目を見たものは見るものが全て術者にコントロールされる。 強力な邪眼ならば、睨むだけで殺すことも出来る。 ちなみにグラスは邪眼のバロールの血を引いている。 邪眼のバロールはいかなる敵も一睨みで殺すという恐ろしい邪眼を持っていたが、 残念ながらグラスの目にはそこまでの力はなく、目を見たものの映像をコントロールする程度しか出来ないが、それでも十分闘える。 グラスの目は天国を見せることもでき、悪夢も見せることもできるということだ。 今リュカは地獄を見ている・・・ リュカの目の前ではガラスのケースの中でレナの生命が燃え尽きる・・・ 実際にはただの大きな部屋でリュカが叫び、グラスがそれを見ているだけである。 そう、この瞬間までは・・・ リュカ「なんで・・・殺した・・・・・」 グラス「そうだな、強いて言うなら貴様を怒らせるためかな?」 これも守護天使を無惨に殺して『開く者』を覚醒させるため。 安全策をとるのは当然。 今リュカは実際のグラスのいる位置とは真逆、つまり実際のグラスに後ろを見せているのだ。 グラス「(今なら・・・殺れる・・・!)」 グラスが目に力を集中させ、目の前の空間を歪ませる。 そしてその裂け目から大剣を取り出す それはグラスの愛刀―闇王 何百もの天使や悪魔を消してきた魔剣・・・ 折れることは決してないと言われている魔界でも最高クラスの魔剣である。 リュカ「俺を・・・怒らせるため・・・・・?」 そういってこちらに振り返る。 その表情から感じられる感情には怒りはなかった。 ただ無表情の中に必死で押し留めているような悲しみと絶望が感じられた グラス「(・・・邪眼の幻を見ているはずなのになぜこちらを見る・・・・・?やつに見える私はやつの後ろにいるのに・・・) ああ、貴様を怒らせるためだ。」 リュカ「ふざ・・・けんなぁ!!!!」 リュカの周りに闇が立ちこめる・・・ グラス「(闇王が共鳴している・・・・?)」 闇王は魔界で作られ、魔界で育った魔剣、そして闇王は闇を求める。 邪気の強い者へと引き寄せられる。 悪魔としてのチカラが強い者へ引き寄せられる。 それゆえ、自分より邪気の強いリアの前ではこの闇王を出したことは無かった。 出したらリアの元へと引き寄せられるから。 だが、基本的に天使に邪気はない・・・ 邪気と闇は天使には必要が無い物だから グラス「(まさか・・・あの守護天使の闇が私の闇より深いというのか・・・?バカな!!)」 リュカの周りの闇はどんどん広がり、今ではリュカの姿は全く見えない グラスの手の闇王がリュカの闇へ吸い込まれる。 グラス「こ、この、邪気・・・貴様、ま、まさか・・・・・魔神か・・・!?」 リュカを覆っていた闇が晴れていく・・・そこには、悲しみと絶望の悪魔がいた・・・