ここはロッキー山脈のふもとの洞窟、つまり悪魔共のアジト
涼「暗い、寒い、じめじめしてる、きたねぇ」
ここにきてからずっとこの調子である
リュカ「てめぇいい加減にしろよ・・・」
少し語気を荒げて言うリュカ
涼「いや、だってよぉ入ってかれこれ20分全く同じ道歩いてんだぜ」
リュカ「俺はその20分間さらにおまえの愚痴を聞きながら歩いてんだからな?
てめぇのうるさい愚痴と無駄な質問に」
なぜだろう・・・リュカの後ろに鬼が見える・・・
ちなみにリュカは基本的に気が短い
涼「・・・すいませんでした」
リュカ「よろしい。んじゃ・・・チッ!」
涼「うぉ!」
リュカたちの目の前に大きな部屋、洞窟だが、明らかに人為的に(悪魔が作ったのだから悪魔的にか?)
作られた部屋が広がった。
そして目の前には一人の魔人がいた
その魔人の姿はとても奇妙であった
人の体と顔なのだが背中から鷹の羽が生えている
デイシス「ようやく来たか、守護天使。俺はデイシス。貴様を殺すために来た悪魔だ」
リュカ「・・・どうやら、俺を殺すってのはマジらしいな。なんせフォカロルなんて特殊な種族が来てんだからな。」
デイシス「へぇ、俺の種族を知っていたか。」
リュカ「ああ、神話では海と風を支配するって話だが・・・本当に支配できるのか?」
デイシス「残念ながら俺は出来損ないだからな。それはできない」
リュカ「そりゃありがたい」
デイシス「だが、別の能力を持っている」
リュカ「ああ、そうですか・・・」
デイシス「それでは、殺させてもらう。ああ、安心しろ。これから始まる殺し合いは一部始終『開く者』も見ている。」
その言葉でリュカの体にいっそう力がこもった
リュカ「本当に・・・レナが見ているんだな・・・・・?」
デイシス「ああ、それじゃ、いくぞ!」
デイシスが羽を広げリュカに向かって飛んでくる。そしてデイシスの爪はかなり鋭い
リュカがとんでくるデイシスをギリギリで避けながら涼に向かって叫ぶ
リュカ「涼!こいつはやばい!こっから逃げろ!!!」
その間もデイシスはまるで赤子と遊んでいるかのようにリュカに少しづつ攻撃を仕掛けていく
リュカ(やばい!こいつは間違いなく上級悪魔だ!これでも力の半分も出していないはず!キンとかとは格が違う!天使化なしで勝てる相手じゃない!)
だが、リュカは逃げることはできない、目的があるから。
そして闘うこともできない。力が無いから。
リュカの手は一つ、『レナを見つけ、天使化する。』そうすればこの程度の魔人なら瞬殺できる。
リュカ「涼!早く逃げろ!こいつにはおまえじゃなにもできない!」
だが、この言葉は涼の負けず嫌いに火をつけてしまった
涼「俺様になにもできないだぁ!?俺様をなめんなぁ!あんなコスプレやろうは俺がぶっころしてやらぁ!!!」
リュカはしまった!と思ったがもう遅い、涼はデイシスに向かって突っ込んでいってしまった
涼「このやろぉ!!!」
涼が思い切りデイシスに手刀を当てる。流石に護身術は心得ているようでデイシスの首筋に綺麗に決まった・・・普通の人間相手ならば気絶させられただろう。
だが、今回は相手が悪い。なんといっても魔人だ。人間相手用の護身術では怪我一つしない
デイシス「うるさいハエだ・・・消えろ!」
リュカ「やめろぉ!!!」
リュカの叫びも虚しくデイシスの五本の爪が涼の腹部を貫く
そして・・・涼は倒れた
リュカ「涼!!!」
リュカはデイシスの爪に傷つけられるのも構わずに涼を抱きかかえる
涼「あ〜ちょっと感覚飛んでるみてぇ・・・それになんかさみぃ・・・」
それは死にかけてるんだろう。間違いなく致命傷だろう・・・
リュカ「・・・馬鹿野郎・・・・」
涼「世紀の色男になんてことをいいやがる・・・」
苦しそうにうめきながらいう涼
リュカ「・・・どこがだよ、馬鹿野郎め」
涼「・・・それじゃ、俺は美人の天使様でもゲットしてくるわ・・・・・」
涼の体温が急激に失われていく
リュカ「涼・・・?」
デイシス「ちょうどいい、俺の能力を教えてやろう。
俺の能力は死者を支配し、操れることだ。つまり、そのハエも操れるぞ?」
リュカ「てめぇ・・・殺してやる・・・・・」
リュカがデイシスに向かっていこうとしたとき涼の体温がおかしくなる。
・・・・・
なぜか以上に冷たいのだ。まるで氷のように
そしてリュカの本能が知らせていた。
・・・・・・・
悪魔が出現した
デイシス「まさか・・・『覚醒』か!?」
リュカ「りょ・・・う?」
涼がいきなり立ち上がった。傷はそのままで地が垂れ流し状態になっている。
そして顔は完全な無表情だった。そして、目
涼の目は冷たすぎる。体の冷たさよりも涼の目のほうが冷たい。
手からは長い爪が生え、口からは短く牙が出ていた。
・・・・・
デイシス「どうやら人ではないようだな。悪魔か?とりあえず危険な生物であることは間違いないだろう。消させてもらうぞ!」
デイシスが一瞬で涼の右胸を貫く
リュカ「涼!!!」
涼「・・・・・」
だが、次の瞬間、涼は信じられない行動を起こした
デイシスの首に噛み付いた
そして血を吸っている。
デイシスの顔はかなり辛そうだった、そしていくら爪で刺してもすぐに自分の血によって癒えてしまう。
デイシス「そ・・うか・・・貴様は・・・ヴァンパイアか・・・・・」
デイシスがつけた腹部と右胸の傷はデイシスの血を吸っていることで今や完全に癒えていた。
そしてようやく口を離した涼が呟くように言った
涼「・・・貴様の血は不味い。そろそろ死ね。」
涼の手の爪が鋭く伸びる。そして首筋を抑えているデイシスを切り裂き、吹き飛ばした。
涼「・・・終わりだ」
涼が壁に吹き飛ばされたデイシスを両の爪が無数に切り裂く
もはやデイシスのパーツは100以上の固体になっていた
リュカ「・・・涼、本当におまえなのか・・・・・・?」
リュカが聞いたときには涼は倒れていた
リュカが慌てて近づき、脈を調べると、どうやら生きていることがわかった。
リュカ「・・・(今のは一体なんなんだ?あの治癒力、そして強さ、仕草から間違いなく涼は悪魔、
それも魔神クラスも存在するというヴァンパイアの種族・・・なぜ涼が?
確かに俺の戦いが見える時点で悪魔だというのは予想できた。だが、ヴァンパイアだと?
ヴァンパイアはほぼ絶滅した種族のはず・・・なのになぜいきなり涼がヴァンパイアになった?)
ま、先に行けばわかるか。涼、少し、待ってろよ。」
リュカは涼を置いていくことを決めた。
涼がいれば確かに勝てる確率は増えるだろう。
だが、あのときの涼は異常だった。あの状態は涼の体にもダメージを与える。
涼は多分女のためなら死んでもいい!などというだろうが
ほとんど友人のいない(作らない)リュカにとっては一番重要なコネでもある涼を無駄死にさせるわけにはいかない。
だから有益なのに連れて行かないのだ。
そう自分を納得させて先へ進むリュカ。
・・・
だが、間違いなくリュカの心には優しさが生まれ始めていた・・・