「なあ・・・今お前、何考えてんだ?」
隣に座る男は雑誌に目を落としたまま、訊ねてくる。
「・・・・・・別に何も。ボーッとしてただけだ。」俺は答えた。
「おい、これ見ろよ!来週新パック出るぜ」
返事を無視して、雑誌の一面を開いて見せてきた。
「・・・・・・・・・・」
「ふ〜ん・・・へえ」
一人で、その記事に釘付けになっている。
「・・・前言撤回。お前を一発ぶん殴ろうと考えてる」
「え、なに?・・・!?・・・ちょっ待・・・」
一通り指を鳴らし、ボコボコにしてやった。
「い、一発じゃない・・・」親友のよしみで手加減はしておいた。
真面目に答えてやったというのに無視するとは、無礼者め・・・
今、俺達は学校の教室にいる。何の変哲もない普通科の高校。時間は8:30。
俺の名前は東雲 迅(しののめ じん)。このバカは観神楽 健司(みかぐら けんじ)。
俺の幼馴染みだが、いくつになってもコイツのトンチンカンな性格は理解できそうにない。
四階建ての校舎の三階、その一室2―A。
一番後ろ、扉側から二番目と三番目。この席でいつも騒いでいる。
『ガラガラッ!』教室の後ろの扉が開いた。
勢いよく開いた扉の前に背が低い女子が立っている。
「迅!健司!」その女子が二人の名を呼び、向かってくる。
「優姫・・・?」二人同時に振り向き、呼び返した。
彼女の名前は漣 優姫(さざなみ ゆうき)。
健司と同じく、幼馴染みだが一つ年下の彼女は同高校の一年生だ。
迅「こんなに朝早くから二年の階に来るなんてどうしたんだ?」
今現在8:40。あと10分もすればHRの鐘が鳴る。
優姫「どうしたもこうしたもないわよ。何故二人共起こしに来てくれなかったの!?
私が朝に弱いの知っているでしょう?」
頬を膨らませながら怒る。その姿は低い身長と相まって可愛らしく思わせる。
もちろん、それを見慣れた二人には何も思わせはしないが。
健司「起こしに来てくれないって、お前なあ・・・」
迅「もう高校生だから起きれるって言って断ってきたのは昨日だったよな?」
優姫「ウッ・・・」核心を衝いた。
朝から慌てる羽目になり、自分の言った事を完全に忘れて怒ってしまったのだ。
迅「・・・また起こしに行こうか?」
口元で必死に笑いを堪えながら訊いてみる。その横で健司はおかまいなく笑い転げている。
優姫「・・・はい、御願いします」
迅「素直で宜しい」
また断って、同じ過ちを繰り返すのは良くないと踏んだのであろう。
健司はまだ笑っている。
『キーンコーンカーンコーン・・・』
その時、HRの始まりを告げる鐘が鳴った。
優姫「あっ、教室に戻らなくちゃ!」
まだ笑い転げていた健司に『ドカッ』っと蹴りを入れ、自分の教室へと駆け出した。
迅「おーい、慌てて転ぶなよー」
優姫「うん、ありがとう!」
扉の陰から消えるまで見送り、視線を隣で倒れている健司に移した。
袋叩きに遭ってかなり効いているだろうが自業自得だ。
と同時に前の扉が開き、担任が入ってくる。
担任「HR始めるぞー。え〜、まずお前達に良い報せがある。
このクラスに転校生が来る事になった。皆、仲良く・・・」
転校生と聞いた途端、教室にどよめきがあがった。
男子生徒「そんな話聞いてなかったぜ!」
女子生徒A「どんな人?男子、女子?美形?」
女子生徒B「どこから来たの?」
担任「こらこら、落ち着きなさい。今から入ってきて自己紹介してもらうから」
あれだけ騒がしかった教室がピタリと静かになる。そして、全員の目が扉に向く。
担任「蓮来さん、入ってきて下さい」
蓮来「はい。」
返事が聞こえ、扉が開く。今の声で女子だとは分かった。
迅「(ハスライ?珍しい名前だな)・・・」人の事は言えない。
しかし、迅と健司の席からは死角になり、その姿はまだ確認できない。
開いた扉から教卓へと転校生は歩んでいく。
髪は肩よりも長い澄んだ青。結ってはいない。顔は・・・まだ見えない。
だが、前の方の席の男子から歓声が聴こえる。不細工というオチは消えた。
担任「では、黒板に名前を書いて皆に自己紹介して下さい。」
蓮来「はい。」
教卓に来たところで担任からチョークを受け取り、黒板の方へ向いた。
黒板に縦書きでハッキリと自身の名を書いていく。蓮来 レイカと書かれた。
そして、転校生は振り返った。顔を確認する。
・・・不細工だった・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・冗談である。
目は大きく二重で淡い碧色を携えている。
鼻は普通、眉は細い。口に微かな微笑みがあった。
誰が見ても外見は優秀であった。しかし、問題は内面でもある。
学校という運命共同体の中で多くの時間を共にするかも知れない。内面は良い程良い。
蓮来「皆さん初めまして!蓮来 レイカと言います。
えと、趣味はデュエルモンスターズです!!」
To be continues...
後書き〜・・・
甘辛「始まりました!遊戯王小説、天冥!」
レイカ「あの〜・・・」
甘辛「うおっ、まだ出てきたら駄目ですよ、レイカ君」
レイカ「だって私殆ど喋ってないですし」
甘辛「帰って下さい!序盤の最重要人物なんだから」
その時、もの凄い勢いで走ってくる人物が!
迅「こぉんのボケ作者があ!!」
一閃ーー見事迅の飛び蹴りがボケ作者にHITした。
甘辛「フブグファッ!??」
レイカ「あ、迅君・・・」
甘辛「な、何をする!?腐っても生みの親に一話目から!(レイカ君、止めてよ)」
蹴られた右頬をさすりながら、泣きそうな声で言う。
迅「何が遊戯王小説じゃボケェ!ゆの字も出てないわ!後、長いんじゃ!」
甘辛「主要キャラを皆出そうとしたら長くなっちゃった(照れ
それにデュエルとかはこれから出てくるんだ!」
レイカ「デュエルのデの字は出たよ♪」
迅「・・・まあいい。レイカ、帰るぞ」
レイカ「え〜、もう?まだ色々挨拶とかあるよ?」
迅「次回でな!」
迅はレイカの手首を掴み、走っていった・・・
甘辛「・・・何か寂しい。
あと、見やすく修正しました。やはり行間は空けると良いね♪
見難い初回限定版(?)を頑張って読んでくれた方々、有難う御座います。
そして、それを入れ替えてくれたユウさん、深く感謝します。
では次回をお楽しみに〜(少しはまともに書けよ」